和菓子・和食器づくりコース

和食器コースでは、和食と器の関係を体験しに、 飯田橋「陶房江戸遊」さんに取材に行きました。

和菓子コースでは、靖国通りにある和菓子の宝来屋さんに、 和菓子について区内在住の親子さんと一緒に取材に行ってきました。

目次
1.宝来屋「ちよだの親子とちよだで和菓子を食べ、学ぶ」
2.陶房江戸遊「学生が親子と一緒に和食文化探検!」  




今回、和菓子・和食器チームは靖国通りに面している宝来屋さんを尋ねました。 宝来屋さんの起源とされているのは、なんとまだ江戸時代の頃、千代田区がお屋敷の町である頃でした。江戸から明治に時代が変わるときに、お屋敷の植木の手入れしている職人だった先代の方が「屋敷の片隅で時代も変わるから店でも始めてはどうか」ということで始めたそうです。最初はお菓子屋さんというより、お団子を売るようなお茶屋さんだったそうです。
こうして始まった宝来屋さんの歴史やこだわり、和菓子の奥深さを千代田区に住む親子と一緒に学びに行きました。

一階で和菓子などが販売されており、二階の喫食スペースでは一階で販売されている和菓子(選ぶことができます)とお茶のセットを600円(税込)でいただくことができます。今回はインタビューしながらいただくお菓子をみんなで選びました。取材日は11月だったので、子どもたちは秋らしい和菓子に囲まれて一つを選ぶのにとても悩んでいるようでした。

今回は若旦那である大井さんにお話を伺いました。まずは上生菓子のモチーフについてお伺いしました。みんなが悩んで決めた和菓子は1つずつ色や形が異なります。和菓子を見比べながら、子どもたち同士で「このお花は何だろう?」と話し合う姿も見られました。
上生菓子のモチーフはどのように作られているのですか。」と大井さんに伺うと、「モチーフは季節に合わせて作ります。今月は七五三の月なので鳩の形をしたものや、鈴の形もあります。」とのことでした。

上生菓子は季節に合わせ毎月9種類から10種類のものを販売しているよそうです。
クリスマスだったら、サンタさんやトナカイのもの、ハロウィンだったら、かぼちゃの形をしたものもあります。様々な模様をした和菓子は子どもたちにとって興味を持ちやすいものなのではないでしょうか。二階の喫茶スペースもとても落ち着いた雰囲気でした。ぜひ親子で和菓子から季節を感じてみてはいかがでしょうか。「どんな和菓子が好き?」という質問や「今食べているおもちは何から作られているのかな?」という質問には手を挙げて元気に答えてくれました。

和菓子の載った絵本を皆で見ながら、事前に用意した小豆や、白玉粉を触ったり、形をよく見たりして、和菓子がどんなものからできているのか材料を変えることで異なる性質の和菓子ができるということを伝えました。「絵本に載っていたお饅頭と、学生が選んだ焼き印のされたお饅頭が一緒だね!」と照らし合わせて喜んでしまいました。

宝来屋さんでは焼印の入ったおまんじゅうを注文することができます。本学の焼印の入った紅白まんじゅうを宝来屋さんにお願いすることもあります。そこで焼印について質問すると、本学の焼印と九段小学校のものを実際に見せていただくことができました。
たくさんの焼きごてがあり、近隣の学校のものをそろえています。オリジナルの焼きごてを作ることもあり、例えば猫型の焼きゴテは一般財団法人ちよだニャンとなる会主催、千代田区共催のちよだ猫祭で使われるとのことでした。子どもたちも猫型を見ることができて喜んでいました。

 

今回は、和菓子をいただきながら、和菓子について学びを深めました。学生だけでは気付くことのできない視点でお子さんの意見や質問、反応を肌で感じることができ、新しく発見できることが多くありました。

参加後、保護者の方からこのようなメッセージをいただきました。

子どもたちにとって和菓子は親しみのあるものでしたが、この度の経験を通じて和食文化への関心を深め、より身近に感じられるようになったのではないかと思います。
お土産に頂いたお菓子を家族で頂いたり、学生さんの下さったお菓子の絵を見返したりしながら家庭でも繰り返し、話題にしています。
このような機会を設けて頂きましたこと心より感謝申し上げます。
子どもたちも、揃って「また参加したい!」と言っています。

また、帰り道には、こんなお話もしてくれたようです。

「宝来屋さん、また行きたいね。」
「(絵本で見た)春のお菓子可愛かった。冬も夏も全部の季節のお菓子を(宝来屋さんに)見に行きたい。」
「可愛いのみ~んな全部食べたい!」
そして、おうちに帰られてから、「宝来屋さんへ今度は家族でお買い物に行こうね」と、
ご家族みなさんで今回の体験のお話を共有してくださったとのことでした。

このようにうれしいお言葉をいただくこともできました。
今回のような機会がきっかけとなり、以前より和菓子に興味を持ってくれたり、
お茶をしましょうとなった時に和菓子を選んでくれたりすることがあれば幸いです。

▲和菓子コース「宝来屋(九段下)」編の先頭へ戻る



皆さんは和食器についてどれくらい知っていますか?
料理をよそう食器は、色や形、デザインから食事を彩ります。
どんな器に盛るかで食事がよりおいしくなったり楽しくなったりします。
そして、和食器は食器を作った人の思いが伝わりやすく、手に持つだけで温かい気持ちになります。多い人では毎日、少ない人でも週に一度は何かしら和食器を手にする機会があるのではないでしょうか。そんな身近にあって奥が深く、知らないこともたくさんある和食器について学びを深めました。

今回、和食器・和菓子コースでは、11月23日飯田橋にある陶芸教室の江戸遊さんで和食器について取材をしてきました。私達学生も小学校低学年のお子さん4名、保護者の方3名と一緒に体験しました。
江戸遊さんは2000年に柄澤(からさわ)先生が開いた千代田区の飯田橋にある陶芸教室です。27年間で4500名以上の生徒さんに指導してきた先生が丁寧に教えてくださるので初心者の方も安心して陶芸を体験することができます。また、初心者だけでなくプロを目指す方にも細かくご指導してくださります。手作りの陶器の素晴らしさをより沢山の方たちに知っていただきたいという想いから教室を始められました。ホームページを開設しているので、興味のある方はご覧になってください。(https://www.fv-c.com)

今回は、手びねりコースと、ロクロ体験コースに分かれて行いました。
それでは、それぞれのコースの体験の様子をお伝えします!

◎手びねりコース
手びねりコースでは板皿を作りました。
最初に模様をつける練習を行います。スタンプやくし、火山岩などがありました。
どんなスタンプを使おうかみんなで想像を膨らませました。
火山岩などは独特な形をつけることができます。
スタンプやくし、火山岩を組み合わせ、様々な模様にすることもできました。

 

では、本番に移ります。
粘土の塊を平らにたたいて伸ばします。両端に木の板を敷き、均等な厚さになるように調整します。丸皿にするか、楕円型の皿にするのか意識しながら伸ばしていきます。

完成したものの例です。ふちを少しずつ曲げてお皿の形にしていきました。

 

手びねりコースはなんといっても自分だけのデザインをあしらった一枚を作ることができるのが魅力です。粘土を手で押し広げていく工程では少々力が必要でしたが、比較的簡単に、そしてすぐにお皿の形になっていくので、お子さんにも作りやすそうでした。丸や楕円など決まった形にとらわれず、丸みが強かったり、逆に平べったかったりなど様々あり、作る人の性格が出ているようで面白かったです。デザインに入ってからは、それぞれが思い思いの道具を使用し、個性的なデザインに仕上がりました。子どもたちからはどんどんアイデアが溢れてきて、私たちが持っていない視点や、柔軟な発想にとても驚かされました。お皿をキャンバスに見立て、まるで絵を描くように物語を作っていたり、1種類のスタンプを押し続けることで複雑な模様にしたりなど、世界で一つの自分だけの和食器を作ることができました。
実際に出来上がったお皿を手にして、どのようなものをのせようかワクワクしていました。


◎ろくろコース

ろくろコースでは湯のみや、お茶碗を作りました。
ろくろづくりでは最初から好きな形に作り上げていくものではありません。どんな完成形にしたいのか、大まかに決めておきます。横から見た姿をどんなものにするか、先生が書かれた中から選びました。

 

初めに先生にお手本を見せていただきました。
ろくろでは力加減がとても大切になります。

 

 

ろくろコースは、自分の手でお茶碗を好きな形に作りあげることができることが魅力です。ろくろでは、下の方から手を加えて完成形に近づけていきますが、力加減により湾曲しすぎてしまったり、完成形に近づけることがとても難しく感じました。しかし、先生からアドバイスをいただき、自分の決めた完成形に近づけて作ることができました。力加減が難しいこともあり、お子さん達もとても集中して取り組んでいました。器の形に力を入れている方や表面に絵を描いている方もいたり、とても楽しんで体験されていました。私も難しいからこそ作り上げたときの達成感や喜びは大きかったです。私は、初めて食器作りを体験させていただきましたが、普段できることのない貴重な体験をさせていただきとても楽しかったです。最後に8色の中から食器の色を選びました。どれも綺麗な色で皆さんどの色にするか楽しんで決めていました。私は鉄赤という色を選び、綺麗な深みのある赤色に仕上げていただきました。今では、私のお気に入りの食器となりました。

二週間の間に、先生に作った器を焼き上げていただきました。私達学生が出来上がった食器を迎えに行きました。きれいな色が付き、完成した食器はどれも素敵なものでした。子ども達には、本校までおこしいただいて、食器を無事渡すことができました。


 



最後に、私達学生から柄澤先生にお話をお聞きしました。
こちらの工房は、自分の器作りに専念する合間に陶芸教室を行い、自分の作った皿を販売していくために建てられ、先生が作られたお皿はここのみで販売されています。 今回は、1日親子体験として特別に時間を作っていただきました。通常は、教室の定員が8人で空きがある場合は随時受け付けているそうです。
今教室に通っていらっしゃる方で一番若い人は中学1年生ですが、以前は小学生・中学生・高校生一人ずつは参加されていたとのことでした。
陶芸は敷居が高いイメージがありそうですが、こちらは1階で中の作業風景を見て入ってきてくれる人は多く、外に柄澤先生の作品であるお皿も置いてあるため、気軽に訪れて居くださいとのことです。
最後に、自分の好みの器に料理を盛り付けると、食べ物と器のコントラストや色彩のコーディネートが味に影響してくると教えていただきました。また自分が納得して買ったり作った器で食べることで気分も違うのではないかとおっしゃっていました。



そして、保護者の方から、今回の体験についてお言葉までいただき、
実際にご自宅で使われている写真をいただきました!

保護者の方から

2週間後、作った食器は息子も私もそれぞれのお気に入りとなりました。
日々使わせていただいております。
このような機会をいただきありがとうございました。


和食器のゆくえ

皆さんそれぞれの手に渡った食器たち…
その後はどのように活用され、暮らしの中に取り入れられているのでしょうか。


和の文化の共演!
おせちを盛り付け、華やかに。

和食器ならではの渋い色合いが、
おせち料理を引き立てます。
食器のおかげで、美味しさが何倍にも
感じられました。



シンプルにいちごを。
白と赤のコントラストが美しい。

料理やシーンを選ばない丸皿は
何をのせてもいい雰囲気に。
食べることが楽しくなる、
お気に入りの食器の仲間入りです!



定番のご飯茶碗!
優しい色合いも素敵です。

日本ならではの食事にはやはり
和食器が似合います。
少しハードルの高そうな和食器ですが、
毎日の食事によくなじんでいます。



温かみのある湯のみ。
味のある形も魅力的。

和菓子の取材に伺った宝来屋さんの
焼印入りのお饅頭と一緒に。
古き良き日本のお菓子と飲むお茶は
贅沢な時間を過ごした気持ちになります。



お汁粉も深みと趣のある色合い!
シンプルでも美しく。

綺麗な和食器があることで、
料理づくりにも意欲的になり、
普段はあまり作ることがないお汁粉を作りました。
和食器を使うことで普段の
食事も華やかになりますね。


今回の体験は、食器を作る楽しみだけでなく、食事をさらにおいしく食べるためのものとして、和食に触れる機会となりました。様々な場面で出来上がった和食器も活躍してくれるものになるのではないでしょうか。

天野屋 天野屋

宝来屋

住所
〒104-0074 東京都千代田区九段南2-4-15
ホームページ
http://wagashi.houraiya.co.jp/
おすすめの一品紹介
紅白饅頭
上用饅頭2個入~ 794円~
オリジナル焼き印を作成し饅頭に押すことができます。
季節に合わせた上生菓子もかわいらしくおすすめです。

陶芸江戸遊

住所
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-4-3
電話番号
03-3556-3330
ホームページ
https://www.fv-c.com/index.html
おすすめのコース
手びねり体験コース 3,000円
<取材・記事・撮影>

東京家政学院大学 健康栄養学科  石和田 さくら宮脇 彩妃木村 友香

東京家政学院大学 人間栄養学科  遠藤 汐音春原 幸香

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